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2016年 07月 04日
Goslar(ゴスラー)は落ち着いた雰囲気で、街の中心には広場に市庁舎、噴水、そして木組みの家に石畳と絵に描いたようなドイツの街だった。大きすぎず、どちらかと小さな街だが、見どころがぎっしりと詰まっていて、あれやこれや楽しみながら歩くのにはうってつけだ。長らく銀の鉱山で栄えた街だが、その鉱脈が掘り尽くさた後は賑々しく歴史を飾ることもなかった。銀の鉱脈は尽きても美しい街並みが人を呼び、今では観光地として大いににぎわっている。 市庁舎が建つ広場の一角には、かつての鉱山事務所だった建物が今もどしりと構えている。時間になるとこの建物のからくり時計が動き出し、鉱夫たちが登場する。勿論、この街きっての観光イベントなので、からくり時計がはじまる前には、今か今かと待ちわびる観光客で広場は一杯となる。 さあ、はじまった。 のんびりとした音楽にのせて、数百年と続いた銀鉱山の歴史をからくり人形で楽しみます。 からくり時計が終わると、広場にいた人々は思い思いの方向に散って行く。 銀鉱山の繁栄と比例して、この街の木組みの家々の装飾も豪華になったんだとか。目に飛び込んできたこちらの艶やかな家は、遠い昔のこの街のにぎわいを物語っているかのよう。ものすごく傾いているなと思ったら、建物には「1614」と年号が刻まれている。17世紀の建物ということになるけれど、今でもここを普通の住居として使っているのはすごいことだわね。 内部見学は予約が必要でして、行き当たりばったりで出向いたため中は見れずじまい。しかし、17世紀終わりに建てられたSiemens Haus(ジーメンス・ハウス)を拝めただけでも、十分満足。柱に施された彫刻など外観だけでも見応えあり。 そうそう、街いちばんの大きな教会は、塔のてっぺんまで上ることができる。古都を上から眺めてみようかと料金所まで行ってみるも、やはりエレベーターなんぞあるわけもなく、ぐるぐると階段を上らねばならない。念のため料金所のおじさんに、「エレベーターありませんよね」と尋ねると、あたりまえじゃないかという顔をされ、他の観光客にも笑われてしまった。根性のないワタクシども夫婦は、入り口で断念。 教会の塔には上らなかったが、教会脇のビール醸造所レストランBrauhaus Goslarで十二分にとっぽの塔と地ビールを堪能した。 Goslar(ゴスラー)の地ビールと言えば、中世から作り続けられいるGose(ゴーゼ)と呼ばれるビールだ。ここゴスラーでは大麦麦芽やホップに小麦麦芽や塩そして薬草なんかが加えられ、一風変わったビールが醸造されてきた。銀鉱山で働く鉱夫たちにとっては、重労働で失った塩分をビールで補給できたのだから文句なしだったことでしょう。 17世紀にビール純粋令(ビールは麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする)が発令された後は、Gose(ゴーゼ)ビールは存続の危機に立たされるも、根強い人気があったためかこっそりと醸造はされていたよう。EUの誕生で厳格なドイツビールの基準が緩和され、再び大手を振って人々の渇いた喉を潤すことができるようになったのだ。 古都Goslar(ゴスラー)は想像していた以上に魅力的な街でして、魔女祭り以外にも興味を惹かれるものがわんさとあり、街歩きの楽しいこと。ドイツ各地を旅するのがお好きな方には、是非一度とおすすめしたくなる街でございます。
by uki2bnny
| 2016-07-04 23:24
| ・・・ゲーテ街道・ハルツ地方
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